強制執行

強制執行とは?

債権回収の“基本的手法”

強制執行とは文字通り、裁判所を通して強制的に債権を回収する方法です。

対象となる財産の種類に応じて、強制執行は次のようなものがあります。

強制執行の分類

不動産執行 土地や建物を差押え,競売にかけることによって債権回収を行うものです。不動産は一般的に価値の高い財産となるため、受け取れる配当も大きくなりますが、他の債権者により抵当権が設定されている場合など、執行ができない場合もありますので事前に状況を確認しておくことが重要です。
動産執行 動産とは不動産以外の財産のことで、貴金属,宝石類,会社の在庫や備品などがこれにあたります。また,一定額以上の現金や軽自動車も動産執行の対象となる動産です。
差押えが禁止されている動産もあり、金銭に換えても大きな金額にならないものは差し押さえてもらうことができないという点に留意する必要があります。
債権執行 債務者が他の債権者(第三債権者)に対して債権を持っている場合、これを差押えることで第三債権者から直接支払いを受けることができます。
給与の差押えや預貯金口座(預貯金にかかる払戻請求権)の差押えが典型例です。

 

強制執行の流れは?

1.債務名義の取得

強制執行には大きく不動産執行、動産執行、債権執行の3種類がありますが、いずれの場合も強制執行の申立を行う際には“債務名義の取得”が必要になります。

債務名義とは、強制執行によって実現が予定される請求権の存在、範囲、債務者を表示した公文書のことで、代表的なものに確定判決、仮執行宣言付判決、仮執行宣言付支払督促、公正証書、調停調書などがあります。

 

 

2.執行文の付与

強制執行は上記の債務名義に基づいて行われますが、その効力を発生させるためにはさらに執行文を付与してもらわなければいけません。

執行文とは、債務名義に強制執行を行うことができる効力があることを公的に証明した文書のことで、仮執行宣言付支払督促や少額訴訟判決などの債務名義には執行文の付与は必要ありませんが、例えば公正証書の場合には、公正証書を作成した公証人のもとで執行文付与を受ける必要があります。

3.債務名義の送達証明申請

債権名義とそれに対する執行文の付与を受けた後は、債務者へ債権名義の正本または謄本を送った後、間違いなく債務者へ債務名義の正本・謄本を送ったということを証明するために、債権名義を作成した裁判所の書記官に送達証明申請をし、送達後には送達証明書を取得します。

4.裁判所への申立て

不動産執行、動産執行、債権執行それぞれの強制執行を裁判所に申し立てます。
この際、確定判決、和解調書、調停証書、公正証書などの債務名義や、強制執行の対象となる財産の情報(裁判所は原則として調査を行いません)が必要になります。

 

強制執行の対象となる財産は?

大きく不動産・動産・債権の3種類

強制執行の対象となるのは、大きく不動産、動産、債権の3種類です。
それぞれ強制執行の際に対象となる財産は次の通りです。

不動産執行

不動産執行とは、債務者が保有する土地・建物を対象とした強制執行で、自宅や自社ビルが対象となることが多いと言えます。
また、登記されている地上権も対象とすることができます。

不動産執行の対象となる財産

・土地
・建物
・自宅
・自社ビル
・登記された地上権
など

動産執行

動産執行とは、実際に債務者が保有している動産を対象とした強制執行で、裁判所の執行官が予告なしに債務者の自宅等を訪れ、強制的に中に入って財産の差押えを試みることから、インパクトのある手続といえます。

 動産執行の対象となる財産

・現金
・小切手
・株券
・貴金属
・骨董品
など

債権執行

債権執行とは、債務者が保有する債権を対象とした強制執行で、多くのケースで利用が可能です。

債権執行の対象となる財産
■個人の場合

・給与(役員報酬)
・預金
・保険
など

■事業主・企業の場合

・売掛金債権
・賃料債権
・請負報酬債権

取立訴訟とは?

第三債権者に対して提起する訴訟

債務者が他の債権者(第三債権者)に対して債権を持っている場合、債権執行によりこれを差押えることで第三債権者から直接支払いを受けることができます。
ですが、第三債権者へ支払いを求めたにもかかわらず、それが履行されないような場合には“取立訴訟”という第三債権者への訴訟を提起する必要があります。

こんなケースでも取立訴訟は可能?

 第三債権者から「役員報酬は打ち切っている」と言われた

取立訴訟は可能?取立訴訟では債務者の役員報酬が対象となることが多いとお話ししましたが、この時、第三債権者(会社側)から「役員報酬は打ち切っている」と言われることもあります。

ただし、打ち切りのタイミングによってはそれが“強制執行を免れるため”と判断されるケースがあり、裁判所がそのように判断すれば債権を回収することは可能です。
なので、第三債権者から「役員報酬は打ち切っている」と言われた場合でも、諦めずに一度当事務所へご相談ください。

 

会社の代表者に個人的にお金を貸した

会社の代表者と男女関係にあり、「会社のために必要」と言われて個人的にお金を貸した場合でも、会社を第三債権者とみなして、代表者が持つ役員報酬債権を差押えて回収することが可能です。
またこの時、第三債権者が支払いに応じない場合には、他のケースと同様に取立訴訟を起こすことができます。

 

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